Eighth Wonder of the World

ジャングルの愉快な仲間達。
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マダニ一種。マレーシアの調査地の森にはダニとヒルが無尽蔵にいる。元々多かったが、最近森でイノシシが増えているらしく、なおさらそれに付く寄生虫も数を増しているようだ。その筋の人曰く、この森のマダニはタカサゴキララマダニAmblyomma testudinariumにごく近縁な別種らしい。大きなものは吸血前ですらぞっとするほどのサイズだが、そういう大型の個体は人間を襲わない。面倒なのは、その子供と思われる体長1-3ミリの小さい奴。アリの行列を見るために長時間森に座ると、知らない間に服の中に入り込んできて素肌を刺す。

この森のマダニは、恐らくよそのマダニにはない禍々しい性質を持っている。刺されること自体に一切自覚症状がない(それもそれで困る)のだが、ふと刺されている事に気付き、ダニを外そうと患部に触れたとたん、この世のものとは思えない激痛が走るのだ。このダニは吸血時に患部の神経を局所的に過敏にする成分を注入するようで、たった1ミリ程度の虫の所行とは思えないほどの、まるで高圧電流を流されたような痛み。こうして、万が一寄主に現行犯を押さえられても、寄主に苦痛を与えて容易にむしり取られないようにしているらしい。実にやることがえげつない。
しかもこのダニ、人間の体には全身どこにでも取り付くのだが、特に言うのを憚られるような大事な部位にやたら取り付きたがる傾向がある。もはや嫌がらせのための生物としか思えない。しかし、マダニは伝染病リスクのある危険な寄生虫なのでずっと付けておく訳にもいかず、文字通り泣く泣く外すことになる。外した後は先の尖ったピンセットで八つ裂き。

常々思うこと。ダニ、ヒル、カ、ブユ、ナンキンムシ、シラミ、ノミその他、吸血動物は世の中に数あれど、どうしてどいつもこいつも揃いも揃って寄主を不快にさせるものばかりなのだろうか。絶対、進化的にみて適応的ではないと思うのに。長い地球の歴史の中で、寄主を心地よい気分にさせる吸血動物がこの世に1種類たりとも出現しなかったことは、世界八不思議の八番目に数えられるべきだと思う。

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