源頼朝の落馬は昨日の夕飯の蟹の祟り

IMG_0495.jpgマレーシア、クアラルンプール市内の大学。都市部ながら、未だに密林がパッチ状に残っており、意外なほど多くの生物が生息している。俺は数週間の現地滞在中、大半を山間部で過ごす。そして帰国する前日・当日にこの大学内の森でサンプリングするのがいつものパターン。
しかし、ここの森には信じられないほど大量の蚊が生息しており、油断できない。山間部よりも遙かに多く、森に入った途端に竜巻のような蚊の群れに取り巻かれる。クアラルンプールのように、元々森林だったところを急に開発してできた熱帯の都市は、概して蚊が異常発生しやすい。

IMG_0530.jpgこの森での最大の敵、シマカ属Aedes sp.。デング熱を媒介する仲間で、疲労時に多数個体に刺されすぎると発症する。数年前、ここでアリの採集にかまけて刺されすぎ、そのまま帰国して二日目に発症した。日本の田舎、しかも輸入感染症に無知な病院にかかったせいで適切な処置が遅れ、まもなく劇症型のデング出血熱に移行した。そのまま死んでしかるべき事態に陥ったのだが、すんでの所でシシ神様に命を与えられて現在に至る。以来、海外からへんな病気を持ち帰った場合は、大人しく都内のちゃんとした病院にかかろうと決めた。

胸部背面に一本白線をもつ縞々の蚊を見ると、条件反射的にヒトスジシマカA. albopictusと呼んでしまう。しかし、シマカ属には肉眼で区別しがたい多数種がいるため、素人目には同定できない。いや、素人が蚊の同定をしてはならない。
なぜなら蚊には肉眼で識別困難にも関わらず伝染病媒介能が全く異なる同胞種が多く存在し、それらの正確な分布情報は、その地域の公衆衛生を管理する上で極めて重要な情報となるからである。

P1340547.jpgタイ・バンコクの大学構内で見た、背面に4本白線を持つ蚊。種名は知らないが、熱帯の市街地にいるこの手の種はネッタイシマカA. aegyptiである場合が多いらしい。デングは当然のこと、地域によっては恐ろしい黄熱の媒介者。


蚊といえば山本正之の「源平超歴いざ鎌倉」は至高の名曲。人生のテーマソングだと思っている。一日に30回聞く。

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蚊遣りの煙
「一夜二夜、蚊帳めずらしき・・」
なんて風物は見掛なくなりましたが、
東南アジアではどうなんでしょう、
「カトリヤンマ」などに活躍して欲しいです、
「清盛」が蚊に生まれ変わって押し寄せる!
なんて発想「百万馬力のアトム」のオジさん哉、
「カ」の飛行力は雨粒の弾丸も物ともせず、
と「カ」の能力をテレビで観ました、
「シシガミ」信州の山々の支配者なのかも、

誰も口にしない「平家蟹」を食べたのか「頼朝」
東国武士、虚仮にされていますね・・
瓜豆|2012.07.28/23:44
蚊はアリと並んで、世界中で繁栄に成功した生物だと言われています。日本には毎年台風で大きな迷い蝶がたくさん飛んでくるくらいなので、きっと熱帯の危険な蚊もいつか嵐の波をかいくぐってグングン飛んでくるのかもしれません。
当面は、シシ神様からもらった命を大事にします。
richoo|2012.07.29/17:15

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