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精霊

3938.jpg今年上半期、尋常でない労力を投じて探し続けてきたもの。やっと見つけることが出来た。

一応、機能的な翅があるらしいのに頑なに飛ばない。しかし、文献によっては退化していると明記されているものもあり、結局翅があるのかないのか全く分からない。もしかしたら、普段は無翅個体ばかりなのに何らかのタイミングで長翅の個体が出るのか、とも勘ぐっている。
路傍の地べたに生息し、裸地と草むらの境目くらいの所を好む。移動速度が尋常でなく高速で、ぼやぼやしているとあっという間にその場から蒸発してしまう。小刻みに立ち止まりつつ走るさまは、甲虫というよりも同じ大きさのベッコウバチに近い。

東日本に、かつてこれが唯一確実に多産する場所があった。古い文献を紐解けば、そこでは「夏に路傍の草むらで動く黒い虫はたいていこいつ」と書かれている程なので、相当沢山いたことが伺える。ところが、近年それがとんでもなく激減した。原因はよく分からないが、長年そこで生物のモニタリングをしているベテランでさえ、ほとんど発見できないレベルのいなくなり方らしい。
俺は昔住んでいた青森で、これの固い産地を見つけていたのだが、ここは先頃工事現場となってしまい壊滅した。そのため、これにどうしても久しぶりに再会したくて、今年の夏は何度もここへ通った。遮るもののない炎天下、ひたすら下を向いて道端を右往左往したが、どこにもいなかった。
これはもうここでの探索を諦めた方がよいのではないかと思っていた矢先、まったく別の標的を探している過程で偶然見つけてしまった。物凄いスピードで目の前を走っていったが、あの目立つ白い斑紋を他と見間違えるはずもなかった。その場所で一時間半ほどかけて、100mくらいの範囲をひたすら目を皿のようにして地面を見つつ往復したが、結局そこでは3匹見ただけで終わった。いや、俺にとっては3匹も見られれば僥倖だ。

この地でこれが近年ここまで劇的な減り方をした理由は定かではない。ただ、これが潜在的に生息するであろう環境に、近年外来のアレが侵入し、爆発的に数を増やしていることと無関係ではない気がする。

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自分は10年以上前に紋のある個体を一度見たきりですが、
後々になってその希少性を思い知る羽目になりましたね。
小一時間ほど格闘したが飛ばなかった記憶があります。
その場所は過去に記録があった場所の近辺の平野部でしたが、
飛翔能力の低さや聖域環境を考えると案外人の手が入り開発で寸断された、
寺社や田畑などの敷地内に生き延びている個体群が多いような気がします。
-|2019.10.12/02:30
各地でどんどん見られる場所が消失しているようで、本種の行く末が心配です。効率よい探し方がない生物ゆえ、潜在的に未発見の産地がまだ多いことを願うばかりですね。
-|2019.10.12/13:35

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