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4169.jpg井戸から汲み出された生物。

つい先日、「場所柄ヤバいものが出るかも」と言った傍から、出てしまった。体長4-5mm程度、薄い桃色がかった白い色をしており、扁平。植田まさしの漫画に出てきそうなつぶらな点目の顔をしている。
一瞬、まさか同じ県内で得られているアレではないかとの思いがよぎる。地球上でただ一か所、同県内の個人宅の井戸だけから得られているという、国の絶滅危惧種たるアイツだ。しかし、この仲間の種同定は極めて難しいことで知られており、しかも湧水・伏流水から得られて広域分布する同属のド普通種がいるそうなので、早合点はできない。もし問題のアイツであれば、とある顕著な形態的特徴を有するはずだ。それは、背面正中線に沿って等間隔で並ぶ、乳首状の突起である。少なくともこれまで日本国内において知られるこの生物分類群で、この特徴を持つのは現状アイツ一種しかいないことになっている。乳首のあるなしを確かめねばならない。
だが、こいつはとにかく小さいうえ、意外に高速で這い回る。体を真横にした瞬間でなければ、乳首をきちんと目視で確認できない。カメラのレンズで必死に追いかけ、どうにか写し取った。

4170.jpg
とても小さいが、間違いなく背中が平坦ではなく、乳首っぽい出っ張りが等間隔に認められた。自動的に、あのヤバい奴という結論になる。地球上で二か所目の生息地を暴いてしまったらしい。

さて、これは一体どこへ持っていくべき案件だろうか。

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カントウイドウズムシですかね?
-|2020.03.16/20:29
突然のコメント失礼致します。
かなり以前に記事をお見かけしてから、その後どうなったか気になっておりましたのでコメントさせて頂きました。(直接連絡を取る方法もよく分からなかったので長いコメントになりますが失礼いたします。)

カントウイドウズムシについては、ミュージアムパーク茨城県自然博物館の茅根重夫、池澤広美の両氏が石塚氏宅の浅井戸から確認されるカントウイドウズムシの調査を定期的にしているようですので、こちらに確認してみるのは如何でしょうか。

また、「2016年茨城県における絶滅のおそれのある野生生物 動物編 2016年改訂版(茨城県版レッドデータブック)」によれば、現状淡水プラナリアとして県内では、カズメウズムシ、ミヤマウズムシ、ナミウズムシ、アメリカナミウズムシ、カントウイドウズムシ、サンカクウミウズムシの 6 種が確認されているそうです。

写真の形態的にはカントウイドウズムシに極めて類似しておりますが、なにぶん扁形動物については形態分類の他に遺伝学的分析手法を用いないと、なんとも言えない所があります。

私は扁形動物を専門に研究させていただいております(と名乗るのも恥ずかしいくらい)末端の者ですが、地下水性扁形動物については報告も少なく大変興味をそそられます。

是非とも生で見てみたいものですが、やはり井戸という関係状なかなか手を出すのは難しそうですね。
プラナリア|2020.12.31/20:33
ありがとうございます。
実は、この生物に関しましては既に博物館の方へ問い合わせており、現在正確な種を調べてもらっております。正体が判明するのは少し先になるかもしれませんが・・
今回の発見を期に、近傍の井戸をかなり調べまして、井戸自体は探すと結構あることが分かりました。ただ、それらのうち生き物が出てくるものはほとんどなく、「出る」水脈からの距離や井戸の深さなど、幾つもの条件を奇跡的にクリアした井戸でなければダメらしいことが分かってきました。最初にアタリを引けたのは、本当に幸運なことでした。
-|2021.01.01/14:46

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