IMG_9770.jpgチャイロスズメバチVespa dybowskii。他のスズメバチの巣を乗っ取ることで知られる、恐るべき蜂。行きつけの山では年によって見たり見なかったりする。かつて珍種と謳われたが、最近各地で記録が増えているようだ。日本の他のどのスズメバチにも似てない色彩は、つい見入ってしまう。

IMG_9737.jpg極めて攻撃的な性格で、数匹が樹液を占拠すればオオスズメバチすら下手に近寄れない。人間に対しても容赦ない。

IMG_8019.jpgこの蜂は、理由もなく急に性格が豹変するように思える。それまで一緒に樹液を吸っていた他の虫に、ある瞬間突然襲いかかったりする。このアオカナブンは、割と長いこと蜂と隣り合わせだったが、急に蜂が襲い始めた。やがて両者はもつれて地面に落ち、カナブンは慌てて地中に潜ったが、蜂まで一緒に地中に潜りかけるほどの執拗さだった。

数年前、樹液に集まったこの蜂を1メートルほどの距離から観察していたときのこと。その場で身動き一つせず立って見ていて、蜂の方も一切こちらを気にしていないようだったので、5分以上その状態で観察していた。それなのに、ある瞬間にそこにいた1匹が、突然思い出したように樹液を吸うのをやめた。そしてゆっくり上体をそらしてこちらを見た途端、前触れなく飛びかかってきて、腕を刺した。一瞬、何が起きたのかよく分からなかった。
痛みは激烈で、その後4日くらいは腕全体がソーセージの化け物のように腫れ上がった。なぜあのタイミングで襲われなければならなかったのか未だに納得がいかず、その後山でこの蜂を見るたびに説明を要求しているが、一切応じる様子がない。

IMG_7985.jpgこの蜂は、人を襲うのに一切理由を必要としないように思えるので、近寄るときはいつも心中穏やかでない。ならばそもそも近寄らなければいいはずなのだが、この美しい生き物には危険と分かっていても惹きつける何かがあるので、近寄らざるを得ない。

長野にて。

トラックバック

http://sangetuki.blog.fc2.com/tb.php/452-e39e1533

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する