nagam.jpgナガマルハナバチBombus consobrinus。似た種類が多いが、顔が面長で舌(中舌)が長く、腹部に一本目立つ太い黒帯があるので区別できる。日本では本州の山間部に限って生息する。

マルハナバチは、日本では少し郊外に行けば普通の蜂というイメージがある。しかし、国内に20種類ちょっと知られるマルハナバチの中で、全国的に普通に分布する種はかなり限られる。多くの種は北方や高標高地に局在しており、中には個体数の減少が懸念される種類もいる。このナガマルハナバチも、地域によっては減少しているようだ。

マルハナバチは、種類によって採餌に訪れる花の種類がある程度決まっている。植物のほうも、特定種のマルハナバチに来てもらわないとうまく受粉できない例があるようだ。マルハナバチ類の衰退、もしくは農作物受粉のため持ち込まれた外来マルハナバチの野生化が、日本の山野の植生に悪影響を与えると懸念する声もある。

IMG_0731.jpgテヘペロ。

秋に山道の際に生えるツリフネソウImpatiens textoriには、マルハナバチが多く来る。この撮影場所はナガマルハナバチやトラマルハナバチB. diversusのように、ある程度舌が長い種類が多く、オオマルハナバチB. hypocritaのようにあまり舌が長くない種類は見かけない。この花は、マルハナバチ媒にかなり特殊化した形状をしているように思える。

IMG_0776.jpg蜂が花に潜り込んで舌を伸ばし、花の奥の距に溜まった蜜を舐めるとき、うまいこと蜂の背中に花粉がこびりつくように雄しべが配置されている。ツリフネソウを立て続けに訪花し続けた個体は、背中に花粉による一本の白線がつく。

俺が「庭」と呼んでいる山間の牧場周辺には、多い頃には1カ所で10種くらいのマルハナバチを見ることが出来たが、最近種類相が単調化してきている。そもそも個体数が少ない。何より心配なのは、ここでトラマルハナバチと双璧をなすド普通種だったウスリーマルハナバチB. ussurensisが、3年前を境に1匹も見られなくなったこと。


長野にて。

トラックバック

http://sangetuki.blog.fc2.com/tb.php/456-90db3c54

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する