背徳の水辺

IMG_4993.jpgきれいなゲンゴロウ。日本のオキナワスジゲンゴロウHydaticus vittatusと同種だろう。マレーにて。

ジャングルに通した林道のわだちにできた、僅かな水溜りにいる。昼間は決して見つからず、夜になると姿を現す。同じ場所にしばしばオオイチモンジシマゲンゴロウH. conspersusも見られる。リュウキュウオオイチモンジシマH. pacificusかもしれない。

きっとスジゲンゴロウH. satoiもいるはずだが、見たことはない。スジゲンゴロウはかつて日本にも分布したが、昨年の環境省レッドリストの改訂で絶滅種に認定された。国内で絶滅認定された4番目の昆虫である。昔の日本の甲虫図鑑を見ると「ふつう」と書いてあるので、誤植だと思っていた。しかし、どうやら本当にもともと普通種だったらしい。ここ20年位の間に、火の消えるように日本中どこからもいなくなってしまったのだという。本種の絶滅はこの期間中、いかに日本国内の自然環境がろくでもないものに成り下がったかを物語っている。

もし今後、東南アジアでスジゲンを見ることがあっても、心からは喜べない気がする。日本にかつて普通にいて今いない虫を、遠い異国の密林の中で見る気分たるや、如何許り。



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