双想ノ唄オリエンタリス・セカンド

きのこしろ
地中に作られたキノコシロアリOdontotermes sp.菌園。この仲間のシロアリは地表から集めた枯葉や木くずを苗床に、特殊なキノコを栽培し食す。白い粒がキノコの子供。通常この段階で刈られるが、時に刈られ損なったキノコが巨大化して地面を突き破り、顔を出す。人間が食ってもうまいらしい。菌園は、様々な居候の生物にとってのよりどころでもある。マレーにて。

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菌園甲虫カクホソカタムシ一種Cycloxenus sp.。キノコの子供にあまりにもそっくり。シロアリは目がないので、自分の仲間や巣内の構造物を手触りで認識している面が強い。故に、それを悪用するのはたやすい。タイにて。

のみばえ
シロアリノミバエ一種Clitelloxenia perdosetae。菌園に住む。にわかにハエとは認めがたい姿。腹が巨大だが元々このような姿でなく、シロアリと物理接触しているうちにこうなるらしい。シロアリが体から出す何かの成分に作用しているとかいないとか。シロアリの幼虫を装っていると考えられる。タイにて。

のみばえ2
別種のシロアリノミバエSiluphora microtibiae。上のより複雑な形状。何となくシロアリの張りぼてを背負っているように見える。マレーにて。

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オオキノコシロアリMacrotermes sp.の巣にいるオカメワラジムシ。マレーにて。

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マンマルコガネ一種Madrasostes variolosus。糞転がしの一種。シロアリが作る糞改め粘土状物質を餌にする。この種は地中に住むオオキノコシロアリ属と関係があるらしい。タイにて。
※種名はM. sculpturatumとさる方からご教示頂きました。Thank you very much!

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別種のマンマルコガネ。うまく体の関節を折りたたみ、完全に球体に変化(へんげ)する。この種のように、大抵の種は粘土状物質を多く生産するイエシロアリ属の巣くう朽ち木にいる。タイにて。
※種名はCyphopisthes sp.とさる方からご教示頂きました。Thank you very much!

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また別種のマンマルコガネ。シロアリの巣という目立たないハビタットにいるくせに、なぜか煌びやかな種が多い。マレーにて。
※種名はMadrasostes cfr. variolosum sp.とさる方からご教示頂きました。Thank you very much!

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ハネカクシ一種Rhynchodonia sp.。シロアリの気配がある場所に多く、死にかけたシロアリにとどめを刺して回る。背中のトゲが痛々しいが、どうやらこれは仲間同士のけんかに使うらしい。マレーにて。

しろすじ
シロオビハタザオツノゼミPyrgauchenia pendleburyi。ナナフシアリMyrmicaria sp.が守る。マレーにて。

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ヒゲブトアリヅカムシ一種Mastiger sp.。申し訳程度の触覚が奴の自慢。枯れ枝に巣くうシリアゲアリCrematogaster sp.の坑道にいた。マレーにて。

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アリヤドリコバチ一種Eucharitidae spp.。雌はアリの良く来る植物上に多量に産卵し、孵った幼虫は偶然通りかかった特定種のアリに取り付いて巣に運ばれ、そこで改めて巣内のアリ幼虫に寄生する。とても生存率の低い複雑な寄生戦略を持つ謎の虫。アリ幼虫を内部から食い尽くしたハチ幼虫はアリ巣内で蛹となり羽化する。羽化後しばらくはアリに無視されているが、やがて攻撃されるようになるため、その前に巣から脱出せねばならない。この種は凶暴な肉食フトハリアリPachycondyla sp.巣内にいた。アリに寄生する事が分かっているとはいえ、実際に彼らがアリ巣内から見つかるのはきわめて希。マレーにて。

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別種のアリヤドリコバチ。この仲間はどれも美しい金属光沢を持ち、背中に奇妙な角を生やす種もいる。また、雄の触角が羽毛状になる種もいる。マレーにて。

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アシナガキアリAnoplolepis gracilipesが守るアリヅカウンカ科Tettigometridaeの昆虫。甘露を見返りに、アリを護衛に雇う。模様が美しい。マレーにて。

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テングシロアリNasutitermes sp.巣内のコブスジシロアリガムシ(仮名)Tylomicrus sp.。水生昆虫として知られるガムシも、いくつかの種は社会性昆虫の居候に成り下がった。マレーにて。

はねかく2
軍隊蟻の一種ツヤヒメサスライアリAenictus laevicepsの引っ越し行列を行くハネカクシ一種。特殊なにおいでごまかしているらしく、盲目なこのアリ達は姿形も大きさも違うこのよそ者を追い出せない。マレーにて。

はねかく1
ツヤヒメサスライアリに運ばれる別のハネカクシ一種。恐らくにおいと、そしてアリそっくりな姿形、肌の質感でアリになりきる。歩きにくい場所は、アリにくわえて運ばせる。マレーにて。

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ツメカクシクワガタ。たぶんPenichrolucanus copricephalus。シロアリの巣に居候する、知る人ぞ知るクワガタ。どう贔屓目に見てもクワガタには見えない。扁平な体に、脚の爪を隠した姿はシロアリの攻撃を最大限防ぐためのもの。シロアリの巣くう赤腐れの朽ち木にいるという噂だが、これはそんなに赤腐れでもない所から出た。腐朽のしかたよりシロアリの種の方が重要な気もする。マレーにて。

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シロアリの一種の巣にいたハネカクシ。マレーにて。

だに
ツヤヒメサスライアリの背に乗るダニ。分類群不明。何を餌に生きているのか。マレーにて。

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ヤガの一種幼虫Homodes sp.。日本のニジオビベニアツバH. vividaと同属。羽根飾りのような奇怪な突起を持つ。この仲間のいくつかの種はアリとの関係が示唆されており、ツムギアリOecophylla smaragdinaの住み着く木の枝で見られる。アリからは攻撃されない。胴体を折り曲げた姿はシルエットがアリに似ているという。この個体もツムギアリの多い枝上にいた。別の場所では、樹幹の樹皮下にできたアメイロオオアリTanaemyrmex sp.の坑道で見たこともある。今後注意して観察したい対象の一つ。マレーにて。

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す、す、す、すごすぎです!!
すごすぎて、興奮しすぎて鼻血が出るとこでした(笑)
すっごい種類ばかりで、しかも美しすぎです。
これからも、ドキドキ、ワクワクするような写真を待ってまーす!
南米もうすぐですね。
taku|2012.01.12/23:10
お褒めいただき光栄です。
もっと凄い隠し玉があるから乞うご期待。
今の撮影技術で、来週の魔境の有り様を
どれだけ表現できるのか。既に心ここに
あらずですな。
richoo|2012.01.13/09:34

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