もちもち先生
2013/01/22|Category:海外・東南アジア
最初にそれを見た時、一体なにがどういう状態なのかよくわからなかった。
葉の上にいる芋虫の体のそばに、緑色の丸い球体。芋虫の上に、上から落ちてきた青い木の実が乗っているように見えた。しかし、それにしては不自然な状況だと思ってよくよく確かめて見たら、さらに不自然な実態が明らかとなった。
球体は、なんと芋虫の頭だった。緑色に膨満した、まん丸い頭部を持つ奇妙な芋虫。一瞬、何かへんな寄生虫にやられて変形した異常個体と思ったが、落ち着いてよく見つめ直してみると、多分そうではない。奇妙ながらも、整然とした形をしている。元々こういう姿かたちの生き物なのだと、直感的に理解した。
膨らんだ頭部と、胴体部の雰囲気を頼りに少し調べてみると、日本の南方にいるカバシタリンガXenochroa internifuscaの幼虫によく似ているように見えた。幅広い腹脚、そして胴体後方が少し上に突き出た感じが実にそっくりなので、たぶん同属か近縁属かもしれない。頭部に触ると、ふにふにして柔らかいが弾力があり、しっかりしていた。
こいつがなぜこんな頭をしているのか全くわからない。しかし俺が予想するに、未熟な青い木の実に似せることで鳥に食われないようにしているんじゃないかと思った。実際、俺がそのように騙されたので。でも、胴体はモロ芋虫だから、その説はやっぱりないか。考えるほどに、不思議な頭だ。
東南アジア某所にて。



こいつがなぜこんな頭をしているのか全くわからない。しかし俺が予想するに、未熟な青い木の実に似せることで鳥に食われないようにしているんじゃないかと思った。実際、俺がそのように騙されたので。でも、胴体はモロ芋虫だから、その説はやっぱりないか。考えるほどに、不思議な頭だ。
東南アジア某所にて。