ジャングル最強と謳われる生物。軍隊アリ。
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バーチェルグンタイアリEciton burchellii。世間でグンタイアリという場合、大抵これのことを指す。コロニー構成要員は100万匹以上。

南米に生息する軍隊アリには、大きく5つの分類群が含まれている。中でも大型で目立つのが、この種を含む正真正銘のグンタイアリ属Ecitonだ。決まった巣を持たず、定期的に移住を繰り返す。その道すがら、大規模な捕食行軍を森中に繰り出して、様々な生物を殺しまくる。
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グンタイアリ属は、コロニー内に様々なサイズのワーカーがいる。そして、彼らはその体サイズに合わせて分業を行っている。小さい個体は獲物を倒して解体する。少し大きめの個体は獲物を運搬することが多い。一番大きな個体は、マンモスのような巨大な牙を持ち、行列脇で睨みをきかせ警戒に当たる。しかし、間の抜けたつぶらな目。
実のところ、この巨大な牙は見かけ倒し。大きすぎて力が入らないらしく、人間にとっては咬まれること自体には特にダメージはない。しかし、先端が鋭いため、咬まれると皮膚に食い込む。この時、あわてて外そうと引っ張ると、ものの見事に皮膚がスパッと切れる。
昔、「珍虫と奇虫」という図鑑のグンタイアリが載っているページで、グンタイアリに咬まれた指が切れて出血した写真があった。実際に指を咬ませたときに、「なんだ、全然どうってことないじゃないか。こんなのでどうやって人間の指が切れるんだ」と思ったが、外すときに全てを思い知った。

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コオロギを群れで取り押さえる。グンタイアリはバッタ系の虫を好んで狩るが、派手な色をしたバッタ類は毒があるのか狩りたがらない。枝そっくりのナナフシのような虫も狩らずに無視する。同じく枝に似たシャクトリムシでは、植物を食べることで植物のにおいを獲得して体から発散するらしいので、ナナフシも似たようなことをしているのかも知れない。グンタイアリが攻め込んだ跡地は、あらゆる生物が狩られたり逃げ出すために閑散とすると言われるが、こうしたチート技でスルーされる生物もそれなりにいるため、決して死と無の世界にはならない。
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歩きにくい場所では、アリ達が固まりになって自在に足場を組む。こういう指令を一体いつ誰が出すのだろう。

写真は、全てペルーにて。

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