リコレクション
2013/04/10|Category:植物

各地にはびこっている外来のオオイヌノフグリV. persicaと違って、在来の草(史前帰化の説もあり)。小さくて淡い紫の花は可愛く、美しい。オオイヌより厚かましい感じがしないのが、俺の中でポイント高し。
大学学部時代、家の近所で生えている場所を先輩に教えて貰った。以来、毎年春になると何となく見に行ってしまう。群落は、ここ数年縮小も拡大もしていない。日本ではかつて普通に見られたようだが、近年見かける機会が少なくなり、環境省の絶滅危惧種にも指定されている。最近レッドリストを見たら、意外に絶滅危険度ランクが高いのに驚かされた。

イヌノフグリの仲間は、実はアリと浅からぬ関係をもつ。タネにアリの好む成分「エライオソーム」が付いているため、地面にこぼれたタネをアリが運ぶ。それにより、移動分散を助けて貰っているのである。エライオソームをタネに付ける植物は、他にもいろんな分類群で知られている。
また、ヨーロッパの乾燥砂漠地帯に生えるタチイヌノフグリV. arvensisは、アリの巣の周辺にしか生えないらしい。アリがよくタネを巣へ持ち帰ることに加え、アリの巣の周辺土壌がアリの出したゴミや排泄物により肥沃になることが関係している。