254.jpgアズマキシダグモPisaura lama。徘徊性クモで、目の前に来た獲物に直接飛びかかって捕らえて食う。しかし、オスはしばしば捕らえた獲物を食わず、丁寧に糸でラッピングする。メスと配偶する際に、プレゼントとして渡すためだ。
本種は、婚姻贈呈の習性を持つことであまりに有名である。世界にはこういう習性のクモが何種類かいるらしいが、国内では本種のみ。普通種だし、習性はよく知られているのだが、その割に最近撮影された配偶シーンの写真がググっても出てこない。夜行性で目立たないため、誰も観察しようと思わないのだろう。こういう所の利権をザックリやるのが俺。

255.jpgメスにプレゼントを渡す瞬間。ラッピングした獲物を持ったオスは、メスが歩きながら出す「しおり糸」を辿ってメスを探し出す。そして簡素なダンスでメスに存在をアピールしつつ接近する。メスがプレゼントを受け取ると、オスは体をひねって仰向けのような体勢になり、下からメスに触肢を差し込んで交尾(交接)する。
これの逆光ストロボ写真をいかに格好良く撮ろうかと腐心している。

かつては、交尾中にメスに食われないように、オスは身代わりとして餌を持参するのだと解釈されていた。しかし、本種は雌雄で体格差がほとんどないため、共食いは恐らくほとんど起きない。それよりも、産卵前にメスに栄養を貢ぐことでメスにより多く卵を産ませる意味合いが強いと、今では解釈されている。

長野にて。


※国内で婚姻贈呈の習性を持つクモとして、近年新たにハヤテグモPerenethis fascigeraが確認されているとの情報を頂きました。情報を下さった方、誠にありがとうございました。

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-|2013.05.21/21:18
いつもご愛顧頂き、ありがとうございます。
そうだったんですね!まったく知りませんでした。ちょっと文献を確認してみます。貴重な情報を教えて下さり、感謝致します。
西日本でないと見られないというのが残念ですが、機会があったら観察してみたいです。
richoo|2013.05.21/21:33

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