346.jpgテラニシケアリLasius orientalis。山梨にて。

寒冷地に分布の中心があるようで、本州の平地ではまず見ない。クサアリ亜属の中ではもともと遭遇頻度の少ない珍種であるのにくわえ、地球温暖化に伴い分布縮小の懸念があることから、環境省の希少種(2012年度版で準絶滅危惧)にも指定された。他のクサアリ亜属の種と一見して区別しがたいが、こいつは樹幹に長大な土砂のシェルターを組んでその中を行進する。この習性をもつクサアリ亜属は日本じゃ他にいない。
俺は山梨のすこぶる辺鄙な某山しか生息地を知らないので、このアリを見るためにはわざわざ高い金と時間をかけて電車を乗り継ぎ、そこへ行く。先日、一年ぶりくらいにそこへ行った。アリンコそのものにくわえ、このアリとしか共生しないアリヅカムシの写真を撮り直したかったからだ。

しかし、この日の遠征で印象に残ったのはこのアリではなく、途で下車した駅前の民家で野良猫がツバメの雛を捕まえる瞬間を見た事だった。生まれて初めて、猫が野鳥を食い殺す瞬間を目撃した。歩道を歩いててふと目をやったとき、車道の反対側の民家の垂直な壁を、まるでヤモリのように猫がスルスル登っていた。その先にはツバメの巣があり、だいたい地上3m位の高さだったと思う。あっという間に上り詰め、巣の中にいた巣立ち間近の若鳥に噛みついて地面に飛び降り、くわえたまますぐ走り去った。
すぐ目の前であれば、猫の足を掴んで引きずりおろしたのだが、少し距離が遠かった。たまたま同じくその光景を目撃していたオバハンが、助けようと猫を追いかけていったが、もうだめだろう。猫に見込まれた小動物はまず奪い返せないし、奪い返せても五体満足ではあるまい。

これがヘビとか猛禽とか野生の捕食動物の所行であれば俺は何とも思わないのだが、人間の眷属である猫がやったのは、何だか見ていて無性に腹が立った。

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