双想ノ唄ネオトロピクス・諸々
2012/02/22|Category:好蟻性昆虫・南米

ハキリアリAtta sp.が木の葉を切り取って、巣に運ぶ。これを加工して、キノコを育てる畑の材料にするためだ。ハキリアリを含むハキリアリ族Attiniのアリは新大陸固有で、キノコを巣内で育てて餌にすることで有名。ペルーにて。


地下20センチ位の所にあるキノコ畑、菌園。綿ぼこりのような質感で、さわるとすぐつぶれる。白いのが菌糸。放っておけば立派な傘のキノコに成長するが、その前に収穫してしまう。排泄物を肥料代わりに撒き、関係ない菌がはびこれば除く。ペルーにて。


もう一つのハキリアリ、トガリハキリアリ(ヒメハキリアリ)Acromyrmex sp.。ハキリアリ族に含まれる13属のアリの内、本当に生きた緑の葉を切るのはハキリアリ属とこの属だけ。他の属は、枯葉や虫の糞を菌の苗床にする。種類により、栽培する菌の種類も決まっているらしい。菌とアリは、互いに依存しあって生きている。
古くなって菌が育ちにくくなった菌園は、崩された後に地中のゴミ捨て部屋にまとめて棄てられる。菌園、そしてこのゴミ捨て部屋は、様々な居候昆虫の住処になっている。ペルーにて。


ハキリアリの菌園だけに住む可愛らしいゴキブリAttaphila sp.。属名はそのまま「ハキリアリ好き」。素早く走り回り、恐らくキノコや菌園そのものを食べているのだろう。アリの巣別れ=結婚飛行の時には、翅の生えた新女王の頭にこれが乗り、一緒に飛んでいくらしい。ペルーにて。


ハキリアリの巣にいるアリヅカムシAttapsenius sp.。よく見ると、アリヅカムシとしてはかなり変わった形をしている。小型の働き蟻の背に乗る。大型の働き蟻の場合は、頭に乗る。観察例はないが、こいつもきっとゴキブリのように女王蟻の頭に乗って飛んで行くに違いない。ペルーにて。



アリノスマグソコガネの一種Euparixia sp.。元々は糞転がしの仲間。新大陸には、好蟻性になったマグソコガネ類がとても多く、なぜかそれらは皆ハキリアリやファイヤーアント(トフシアリ属Solenopsis)と関係を持つ。夜間、アリの巣の入り口近くにとても多かった。ペルーにて。

すらっと長い脚と、瓢箪のようにくびれた姿が特徴。ハキリアリと共生するマグソコガネ類は他にも沢山いて、それらは大抵地中の菌園とかゴミ捨て部屋にいる。特にゴミ捨て部屋は、他にダイコクコガネやクロツヤムシなど、大型の好蟻性甲虫がわんさかいるらしい。がんばって掘ろうとしたが、相当深いところにあるらしくて無理だった。ペルーにて。


ハキリアリの巣口にいた、素早いハネカクシ。弱ったアリを襲い、物陰に引きずり込んで殺す。ペルーにて。

ノミバエ一種。ハキリアリの行列に沿って飛び回る。この手のノミバエの種類は多いらしい。彼らの目的は、アリの運ぶ葉に卵を産み付けて巣内に運ばせ、ゆくゆくは菌園を食い荒らすこと。あるいは、アリそのものを攻撃するためとも言われる。葉を運ぶ最中のアリは、ハエに対して一切の防御策を持たない。なので、大抵葉っぱの上には小型のアリ(リーフライダー)が常駐して、この面倒な敵を遠ざける。
また、ノミバエが高密度で生息する地域では、ハキリアリはハエの飛ばない夜中だけ外勤に出る傾向がある。エクアドルにて。



