430.jpgマレーシア、標高1600mの雲霧林からみた夕日。

熱帯の高標高地は頻繁に霧が発生し、木の幹にはコケがよく生い茂る独特の景観を形作る。そして、その雲霧林の中には、想像を絶する種数と個体数の「翅なし甲虫」が潜んでいる。気温が低い高標高地では少しでも体表面積を減らしたほうが体温を奪われずにすむとか、餌が少ない環境なので余計なエネルギー消費を減らすため飛ぶのをやめたとか、いくつか説があるらしい。

面白いことに、雲霧林に住む甲虫は、分類群にかかわらず翅なしになってしまう。コガネムシ、ゴミムシダマシ、カミキリ、ゾウムシその他いろんな甲虫たちが、まるで相談して示し合わせたかのように翅なしの出で立ちでいるのは、不思議でもあり異様でもある。

雲霧林の翅なし甲虫は小型種ばかりなのにくわえ、何しろ翅がなくて飛ばないため、通常の甲虫のように夜間灯火でおびき寄せられない。だから、採集の難しい種類が多い。「ある2つのコツ」を知っていなければ、たとえ多産地に赴いて探そうとも、おそらくそこに潜在的に生息するうちの1劾分の1も発見できないと思う。しかし、それにひとたび気が付けば、もはや森を歩くのも畏れ多いほどに周囲が虫だらけである現実を知ることになる。虫探しは本当に奥が深い。

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