ぽっぽ
2013/08/20|Category:半

理由は全く知らないが、地域によってこの虫のことを「はと」と呼ぶ。幼い頃、今は亡き祖母が「庭木にはとがたかって困る」とよく言っていたのを覚えている。集団で植物の茎に取り付き汁を吸ってしまうので、園芸関係の人々からは嫌われている害虫である。
幼心に祖母のためになりたいと思い、俺はよく庭の畑でカマキリやクモその他いろんな肉食昆虫と協力して「はと退治」をした。指ではとを生け捕りにしては半殺しにし、庭に住み着いている肉食昆虫どもに片っ端から渡していった。一番面白いのはシオカラトンボだった。竿の先に止まっているやつを見つけ、そいつの目の前で空中にはとを投げる。すると、一瞬のうちにトンボが飛び上がり、空中で見事にはとを捕まえて元の竿に戻るのだ。
祖母の亡き後は畑も閑散として、以前ほどトンボもはともいなくなった。
静岡にて。