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キバネツノトンボAscalaphus ramburiの孵化。全国的には希少種なのだが、本州の中部では場所により結構多く、決して珍しくない。行きつけの草むらでは、馬に食わすほど沢山いる。逆に、図鑑などではしばしば「普通種」と書かれている本当のツノトンボHybris subjacensというツノトンボは、今まで生きてて見た試しがない。本当に実在するかも疑わしく思っている。

ウスバカゲロウの親戚であるツノトンボは、幼虫の姿も非常にウスバカゲロウのそれと似ている。しかし、ツノトンボのほうが頭がでかく、脚もしっかりしている。ウスバカゲロウの幼虫は、アリ地獄を作る種では脚がほとんど機能せず、腹部を伸縮させて後ずさるしかできない。でも、ツノトンボの幼虫は、ちゃんと脚で前に歩ける。

361.jpg孵化した幼虫は、やがて三々五々散っていき、地面に降りる。ツノトンボの幼虫はアリ地獄を作らず、物陰にただ隠れて獲物を待ち伏せる。アリ地獄を作らない種類のウスバカゲロウの幼虫同様に、見つけるのがとても難しい。簡単に見つかるのは、このように孵化した直後の状態だけ。でも、今年は秋に頑張って老齢幼虫を探してみようと思う。

なお、その名前からしばしば勘違いされることがあるようだが、アリ地獄(=ウスバカゲロウ)は好蟻性昆虫ではない。別にアリに生存を依存している訳でなく、目の前を通りかかったり罠に掛かった生き物なら何でも食うから。それを考慮すると、脈翅目昆虫で好蟻性と呼べるものは、きわめてわずかな種しか存在しない。しかし、そのわずかな種というのは、本当に奇妙奇天烈な生態を持つ選りすぐりの精鋭のみで構成されている。

長野にて。

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