398.jpgナゴヤダルマガエルRana porosa brevipoda。よく似たトノサマガエルR. nigromaculataとともに、かつては普通に水田にいたものらしいが、今では絶滅寸前の希少動物。水辺からあまり離れず、「ギギギギギ」と鳴く。遠くで聞くと、何となくヤギの声に似ている。

昔からずっと見たいと思っていて見られなかった生物の一つだったが、詳しい方の案内で最近ようやく見ることができた。短い後足、マダラ状の斑紋など典型的なナゴヤダルマに見える個体が、夕暮れ迫る田んぼにたくさんいた。しかし、近年ナゴヤダルマはトノサマとの交雑が進んでいるため、遺伝子レベルで100%ナゴヤダルマかは見た目で分からない。でも、そうであってほしい。

399.jpg今は無きテレビ番組「どうぶつ奇想天外」で、かつてダルマガエルを使った面白い実験をやっていた。田んぼに木製まな板と包丁を持っていき、田んぼの前で何かを刻むように包丁でまな板をコンコン叩く。すると、その田んぼにいたダルマガエルが一斉に合唱し出すのだ。
木製まな板を包丁で叩いた時の音の波長が、偶然にもダルマガエルの声と酷似しているため、こういうことが起きるらしい。田舎でばーちゃんが夕飯の仕度を始めると、家の前の田んぼでカエルの合唱が始まるといった昔の風景の裏側には、そんな秘密があったのだ。

いつか実際に試したいと思っているが、なかなか機会に恵まれずにいる。


本州中部にて。

※「どうぶつ・・」で実験されたカエルは、ダルマではなくトノサマだったそうです。また、波長ではなく声の成分の間隔が、まな板を叩く音のそれと類似しているためとのご指摘がありました。らな・ぽろさ様、ご教示ありがとうございました。

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お久しぶりです。
15年くらい前に「どうぶつ奇想天外」で放送されたのは、トノサマガエルの方でした。あの番組のネタを提供したのは私で、ロケ地も茅野市米沢でした。あのとき放送でまな板を叩いていたのは、うちのカミさんでした。雨宮塔子さんも番組の中で叩いていましたが・・・。
らな・ぽろさ|2013.09.19/21:29
追伸
トノサマガエルが反応するのは鳴き声の波長ではなく、一つ一つの鳴き声成分(ノート)の間隔とまな板でのそれが一致するためです。ちなみにダルマガエルの鳴き声にもトノサマ雄は盛んに反応しますが、逆の組み合わせだと反応がわずかなのです。そのことが種間交雑の組み合わせに非対称性を生ずる主因になっているようです。
らな・ぽろさ|2013.09.19/21:35
こちらこそご無沙汰しております。
なんと、あの特集に関わられていたんですね。世の中狭いです・・なにぶん昔の話だったので、かなり記憶が改変されてしまっていました。
まな板作戦は、トノサマで出来る話だったんですね。これなら家の近所でも実験できそうです!
richoo|2013.09.19/22:37
宮城ではトウキョウダルマばかりなのですが、
まな板トントンに反応するでしょうか。
気になりますが実際に試す機会は、うーん(´・ω・`)。
micromyu|2013.09.20/16:43
どうやら詳しい方の話では、トノサマに効き目があるワザらしいので、どうなんでしょう。やってみる価値はある?
richoo|2013.09.20/18:45
私のかつてのプレイバック実験結果では、ナゴヤダルマやトウキョウダルマにも若干の効果は認められました。ご存知だとは思いますが、変温動物であるカエルは、そのときの体温(近似値として水温や地温を使うことが多いのですが)で鳴き声のテンポや優位周波数が変化します。そのことも考慮して実験を設定する必要があります。周波数は二の次として、ノート間隔(包丁で言えば、トンと次のトンの間隔)
に様々なバリエーションをつけた上で再生実験したいものです。簡単に言えば、早切りや遅切り、中間といった具合です。
こういう形で私のかつての仮説を検証していただければ、この上ない幸せです。
らな・ぽろさ|2013.09.20/22:21
了解いたしました。カエルの世界も、まだいろいろ分かっていない事だらけなんですね。来年度の課題が出来ました。
richoo|2013.09.21/07:46

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