422.jpg灯火に飛来した漆黒のカマキリモドキ。翅のツマが黒いのが奴の自慢。東南アジアに生息するこの仲間には、体色の異なる複数種がいるようだ。マレーにて。

423.jpg
傲岸不遜、大胆不敵、天下無敵の格好良さ。

好蟻性のカマキリモドキがいれば楽しいのにと、常々思っている。しかし、これまでそんなものが発見された話は聞かないし、今後も発見されなそうに思う。そもそも脈翅目全体で好蟻性種がほとんど存在しないあたりを見ると、この目自体がもともと好蟻性という性質を進化させにくい特質を持っている気がしてならない。まして、クモをメインホストとする(であろう)カマキリモドキ科の中で、いきなりアリに寄主転換するドンキホーテが現れるとは考えにくい。

その一方で、その可能性は完全にゼロという訳でもないと、密かに期待している。なぜなら、南米では驚くことにアシナガバチの巣から発生する種(Trichoscelis, Brauer 1869)が見つかっているからだ。かなりの珍種くさく、ちょっとネットで調べた位ではまったく情報が出てこない属のものだが、確実にいる。
生態の詳細はほぼ謎だが、予想するに植物の葉上で孵化した一令幼虫は、ハチに狩られそうな昆虫にランダムに付くのだろう。いざその昆虫がハチに狩られたら速やかにハチの胴体に乗り移り、そのまま巣へと運ばれる。そして、巣にいるハチの幼虫に食いついて吸血しながら成長、というシナリオが思い浮かぶ。もしそうならば、そんなハチ寄生のグループから勢いでアリに寄生するものが出現するのも、あながちあり得ない話ではないだろう。

今日もアマゾンのジャングルの奥の奥では、アリの巣から脱出して翅を伸ばした未知なるカマキリモドキが、夜空を仰ぎて心にもない得意の祈りを月に捧げているに相違ない。

参考文献:
Brauer, F. 1869 . Beschreibung der Verwandlungsgeschichte der Mantispa styriaca Poda and Betrachtungen fiber die sogenannte Hypermetamorphose Fabre's. Verh. Zool .-Bot. Ges . Wien, 19 :831-840 .

トラックバック

http://sangetuki.blog.fc2.com/tb.php/832-08c79aba

牡山羊の頭を戴いた魔王の肖像の如く、
思いっ切りzoomすると悪夢に魘されそうです・・
格好好くて、しかも如何わしい処、
本領発揮のカマキリモドキ、Kitsch哉!
瓜豆|2013.09.07/20:48
かつて本で、魔物そっくりの東南アジア産カレハカマキリを見たことがありますが、それに匹敵する逸材だと思います。実際に戦えば強く、同大の本物のカマキリとなら互角に渡り合えます!
richoo|2013.09.08/08:49

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する