2013/08/30|Category:膜

アリヤドリコバチの仲間はアリの幼虫に寄生して育つ。その辺の植物に生み付けられた卵はふ化後、そこを偶然通りかかる「取り付くべき種のアリ」の体に取り付き、まんまと巣内へ侵入する。その後、アリの巣内を探索してアリの幼虫に取り付くらしい。
エサキアリヤドリは朝鮮半島にも分布し、そこではクロヤマアリに寄生することが既に分かっている。だから、日本の個体群も当然クロヤマアリに寄生するであろうことは疑うべくもなかったが、今まで日本のクロヤマアリの巣からこのハチが見つかったという報告は全くなかったようである(東浦 2008)。だから、これが恐らく日本で初めて、このハチが寄主アリと絡んでいる現場を押さえた写真になる。
もう少しイイ写真も撮れたが、もったいなくて出せない。
本州中部にて。
参考文献:
東浦祥光 (2008) エサキアリヤドリコバチ.平嶋義宏・森本桂(編)新訂原色昆虫大図鑑第3巻: p. 522.北隆館・東京.