417.jpgフシボソクサアリLasius nipponensisにつまみ出される、クロクサアリヤドリバチGhilaromma orientalis。アリの幼虫に寄生する寄生蜂の一種。

アリ巣内でアリの幼虫に寄生する寄生蜂は、羽化後はすみやかにアリの巣から脱出せねばならない。しかし、どうやってこれらハチがアリの攻撃を受けずに巣外へ逃げ出すかについては、よくわかっていない面が多い。
今まで野外で数種類のアリ寄生蜂がアリ巣内から脱出する瞬間を見てきたが、それで思ったのは、どうも羽化直後のハチはアリにゴミか何かのように引きずり出され、捨てられる印象が強いことである。引きずられている時は当然アリに噛まれるのだが、獲物や敵に対してやるような敵意のある噛み方ではない。腹を曲げて蟻酸や毒バリによりハチを攻撃する様子も、ほとんど見たことがない。

根拠はないが、おそらくこうしたアリ寄生蜂の仲間は、羽化直後から一定時間だけ「アリの死体」に似た匂いを体から発しているような気がする。清潔好きなアリは、仲間が巣内で死ぬとすぐにそとへつまみ出して捨てる。この習性を逆手にとり、ハチは死んだアリのふりをしてアリをだまし、自分を外へ捨てさせるという形で巣外脱出を手伝わせているのだと思う。

長野にて。

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