458.jpgツノアカヤマアリFormica fukaii。北海道にて。

459.jpg日本では数少ない、「アリ塚」を作るアリ。開けた道ばたや草原に、乾燥した枯れ草や植物の綿毛などをかき集めてマウンドを作り、巣として利用している。これはまだ小さい塚で、大きくなれば直径1m、高さ20cmくらいにはなる。

455.jpg一生懸命、塚の材料の植物破片を集めてくる。

464.jpg性格はひどく短気で攻撃的。ちょっと塚に刺激を与えると、とたんにわらわら出てきて襲いかかってくる。噛む力が強い上に、噛み傷に強い蟻酸をすり込んでくるので、集団で来られるとたまらない。
なお、同所的にコレによく似たエゾアカヤマアリFormica yessensisが見られるが、ツノアカのほうは頭部の両側が突き出ており、ハート型っぽい形の顔をしているのですぐ区別できる。ツノというよりカドといったほうが正しい。いくらハート型でも、そんなにハートフルな雰囲気はない。


ツノアカをはじめ、日本には赤いヤマアリ属が4種おり、それらはみな北方系の種である。そして、それらはいま日本から急速にいなくなり始めている。定量的データはないが、日本中どこでも間違いなく減っており、本州はとくに減り方がひどい。少なくとも俺の周囲のアリ研究者も同じ印象を抱いているようだ。かつて長野にも一つ大きなツノアカの巣があって、定期的に観察しに行ったものだが、最近突然に消滅した。
多くの場合、アリが消えた場所では目立った人為的な環境改変が起きたように見えない。北方系生物の衰退理由を安易に「地球温暖化」のせいにするのは軽率なのだが、それでもそれ以外に思いつく原因が浮かばない。ツノアカヤマアリは、最近になって環境省の希少種(情報不足カテゴリ)に、エゾアカヤマアリに至っては絶滅危惧Ⅱ類に指定された。

攻撃的な性格の赤いヤマアリは、肉食性が強いためにものすごく沢山の害虫を狩ってくれる。ヨーロッパでは、森林害虫を駆除させるために法律で保護しているほどである。だから、日本の野山から赤いヤマアリが極端に減ってしまえば、この先農作物・森林害虫の大発生が起きる懸念があると思う。

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ミツバチの大量消滅
ミツバチの大量消滅(蜂群崩壊症候群)が「ネオニコチノイド系殺虫剤」によるものだとする研究が最近発表されていますが、アリにも同様なことが起きているのではないでしょうか?素人考えながら、心配です。
ただのファン|2013.09.23/18:25
北海道では耕作地に営巣しているため、殺虫剤の影響もあるかもしれませんね。しかし一方で、本州では耕作地が周囲にない亜高山帯域でも軒並み減っているため、気温の変化といったグローバルな要因が関係するように思えてしまいます。
原因がはっきりしないだけに、不安です。
-|2013.09.24/07:52

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