520.jpgオオサシガメ一種Triatoma infestans。楽園に潜む死神。


一般にサシガメ類は他の虫を捕らえて体液を吸う捕食昆虫だが、オオサシガメ亜科の仲間は人間を含む温血動物から吸血する。その中でも中南米に分布する本種をはじめとする複数種は、シャーガス病という恐ろしい病気を人間にうつすことで有名である。
昼間は民家の壁の隙間などに隠れており、夜になると現れる。そして、寝ている人間の肌に口吻を突き刺して吸血し、その後多量の排泄物を刺し口に残して姿を消す。排泄物にはシャーガス病の病原体となる原虫が含まれている。刺し口は猛烈に痒いらしく、ボリボリ掻くうちにその傷口から原虫がすり込まれ侵入する形で感染が成立するという。

顔が腫れるなどの初期症状が出ることもあるが、なかなか気付けないことも多いようだ。刺されてから何年も経って、突然心不全で死んだり、深刻な内臓の疾患にかかる恐れがある。貧しい集落の民家はたいてい土壁で出来ており、サシガメの住処となる隙間が多いため、こうした場所では感染リスクが高い。

これの撮影地は、ぎりぎりシャーガス病蔓延地域から外れてはいたらしいが、灯火をたくとたびたび飛来したため油断ならなかった。


※本種はTriatoma infestansでなく、Rhodnius属の一種とのご指摘を頂きました。Agrias様、ありがとうございました。本属もシャーガス病の媒介能を持ちます。

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Rhodnius?
ぱっと見、Rhodnius属のTriatominaeみたいですが、
本当にT. infestansですか?
詳しくもないのに、横槍すみません。
Agrias|2013.10.22/02:38
ご指摘ありがとうございます。標本は採集していないのですが、確かにおっしゃられるようにRhodniusのようですね。こちらが間違っておりましたため、訂正いたします。
私もこの仲間は専門外のため、教えて頂いてためになりました。重ねて御礼申し上げます。
richoo|2013.10.22/07:02

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