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今年の夏に見たガガンボモドキ一種Bittacus sp.。小さな蛾を捕らえて食う。

ひょろひょろして頼りない雰囲気の虫だが、肉食性。自分より弱小な生物に対する捕殺能力は高い。近寄ってくる獲物に長い後脚をすばやく伸ばし、先端のフ節でムチのように絡め取る。
自身の体を支えて立つほどには脚は強くないため、止まるときは必ず脚の爪を何かに引っかけ、ぶら下がる体勢になる。

ガガンボモドキの仲間は、交尾の際に雄が雌に餌を渡す「婚姻贈呈」の習性を持つことで、世界的に著名である。海外では動物行動学の観点から盛んに研究されてきた。一方、日本ではトガリバガガンボモドキBittacus nipponicusを除けば配偶行動の研究はほとんどなされていない。
日本にもそれなりに種類はいるのだが、いずれも山間部に行かないと見られない、基本的に個体数が多くない、夜行性で観察しにくいなどの理由でなかなか研究が進まない。今のところ、日本で婚姻贈呈が確認されているのはトガリバガガンボモドキだけのようだが、実際にはかなりの他の日本産種もやっているに違いない。

今年は頑張って婚姻贈呈を観察しようと頑張ってみたが、ダメだった。日中は林縁の茂みに多くの個体が休んでいるのに、日没を迎えた途端にみなどこかへ消えてしまい、容易に追跡できない。これの交尾を観察するのは、当分先のことになりそうだ。

長野にて。

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