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キバネツノトンボAscalaphus ramburiの幼虫。ツノトンボ類の幼虫はいわゆるアリジゴクなのだが、すり鉢状の巣を作らずに適当にどこかに紛れて獲物を待ち伏せているだけなので、とにかく発見が難しい。
しかし、今年の初夏にたまたま行きつけの草原で、幼虫が孵化している卵塊を草上に見つけた。ならばその周辺に幼虫がまだいるに違いないと思って、秋口になったら大きく成長した姿を拝もうと考えていた。その計画をつい先日遂行したのだった。

537.jpg数ヶ月前、たしかこの辺に卵塊があったとおぼろげに記憶していた区画に行き、地面の雑草の根際をかき分けてみた。すると、ほぼ一発で2匹の幼虫を発見できた。体長4mmほどと、思っていたほど大きくなっていなかった。翌春くらいならもっと立派に成長しているだろうか。周囲の石などの下では見つからなかったので、草の根際が好きな隠れ家らしい。
一番最初に標的を見つけて気をよくしたが、その後が続かない。いくら周りを探しても、追加個体が見つからない。やはり、こいつはかなりの難敵だ。この産地は、ちょぼちょぼとススキの株が生えるだけの裸地なので、それでもある程度狙いを付けて探せるだけ楽である。これが全面草の生えた芝生のような場所だったら、もう発見は不可能である。

538.jpg体に土砂がまみれており、周囲の土塊と本当に紛らわしい。探そうという意志に加え、数ヶ月前にそこに確実にいたという前情報がなかったら、存在に絶対気づけない。

540.jpg全国的に珍しい種とされるが、本州中部ではその限りでない。ちょっとした空き地に行けば、シーズンには群れ飛ぶ成虫の姿を見ることが出来る。しかし、ちょっとした空き地というのは、すぐに駐車場になったり家が建ったりしやすい。この空き地は10年間無事で居続けている場所だが、今後も安泰である保証はない。
俺はいずれこの土地を離れるが、何かのおりにふらっと戻って来たときに、ここが住宅地か駐車場になっていないことを祈る。


長野にて。

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