555.jpgウエダエンマコガネOnthophagus (Palaeonthophagus) olsoufieffi。糞転がしの一種で、日本では信越地域の限られた河川敷周辺にしかいない、奇妙な分布様式をしめす。人為が絡んでいるとの説もある。秋と春の、比較的寒い時期にだけ見られる。

かつて一回探しに行ったことがあったが、そのときは時期が悪くてメスを一匹見ただけだった。文明の僻地を出て行く前に、どうしてもオスを一目見たくて、わざわざ出かけた。産地では決して珍しいものではなく、公園に放置された飼い犬の糞をほじくると見つかる。かつては牛馬が飼われていた地域なので、そういうものの糞が餌になっていたのかも知れない。しかし、今では犬の糞に相当に依存して生きていると思う。

556.jpg日本のエンマコガネとしては、破格の小ささ。特にオスは信じられないほどに小さい。そして、オスにはほんの申し訳程度ながらも二又のツノが生えている。メスにも痕跡程度のツノがあるが、オスの方がツノの体を成している。ツノがメスになくてオスにあるということは、このツノはオス同士の闘争に使う武器なのだろうという予想はすぐに付く。
しかし、たかだか1mmちょっとしかないこんなツノで、果たしてオス同士の力比べが出来るのかは相当に疑わしい。本種にとって、ツノは進化の過程の中で偶然残ってしまった「名残」で、特に意味のないものなのかもしれない。とはいっても、こいつの祖先筋にあたる種がどんな姿をしたものなのかは、まったく知らないのだが。


長野にて。

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