570_20131214125447877.jpgチビシデムシ一種Cholevinae sp.。冬眠をひかえた、石裏のクロオオアリCamponotus japonicusの巣を開けたら、アリと一緒に見つかった。一瞬ぎょっとしたが、日本のチビシデで好蟻性種なんて聞いた試しがないので、たまたま外から紛れただけのもの。海外には好蟻性種がいないこともないらしいが・・。
体長4-5mmの、この仲間としては比較的でかい種類。近所の森では、ネズミが出入りする石垣の隙間でよく見かける。なぜか冬しか見かけず、晴れた日には盛んに石垣へと飛来するのが見られる。ネズミの糞などを食う腐食性の種だろう。



寒冷期になると、野の小虫どもは冬眠場所を求めて石裏の隙間などに入ろうとする。そのとき、偶然アリの巣くっている空間に紛れてしまうことがよくあるようだ。アリもアリで、気温が下がってくると満足に活動できなくなるため、本来なら撃退せねばならないそうした余所者の小虫を追い出せずに置いてしまう。
古い年代に書かれた好蟻性昆虫関連の文献を見ると、現在の知見ではアリと関係ないことが明らかな甲虫やクモを、好蟻性種として記録しているものが散見される。それらの中には、冬季に偶然余所からアリの巣内に紛れた虫を、勘違いしてそう書いているものが少なくないと思う。

ある種類の虫がアリの巣から見つかっても、すぐにそれを好蟻性と呼ぶことはできない。その種類のどの個体も偶然でない頻度で常にアリの巣から得られるものか、実際にアリと一緒に飼育して特異な行動をアリに見せないか、近縁の種や属も好蟻性か否かなど、総合的に見て判断せねばいけない。
とはいっても、他の近縁種はまったくアリと関係を持たない自由生活種ばかりなのに、一種類だけ明白に好蟻性の生態を持つという例も、全くない訳ではない。難しい。


長野にて。

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