574_20131217224215411.jpgホソミオツネントンボ。成虫で冬眠する数少ないトンボの一種。

水田脇の林の下枝にしがみつき、そのまま風雪に耐えながら一冬越す。見た目も色も小枝そっくりなのに加えて、そういう小枝が密生した場所に止まることが多いため、発見の難易度がすさまじく高い。探す目印は一切なく、しがみつく場所も決まっていないので、探すポイントを絞るのに一苦労する。

活動期の本種に近寄ろうとすると、すぐに飛んで逃げてしまう。しかし冬眠中は、当然ながらその場から一歩も動かない。とはいっても、しがみついた体勢で体を傾ける程度のことはできる。人間の接近を察知すると、このトンボは体を巧みに斜めにして、人間の側から見てトンボの形と認識されにくいように自身の姿を見せる。だから、ただでさえ見つけにくいのに余計に見つけにくい状態になる。

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この中で3秒以内に発見できたら神。

行きつけの森でここ数年間、毎年このトンボの越冬態を探し続けて分かったのは、こいつを確実に見つけるには北向きの斜面に発達した杉林がいいらしいということ。日も当たらず底冷えするこの杉林で半日くらい探すと、毎年必ず1匹は見つかる区画があるのだ。
このトンボにしろゼフィルスの卵にしろ、とりあえず越冬昆虫を探したくば北向きの斜面を探すと外れがない。越冬昆虫にとって、一日の中で極端に気温が上下する状態は危険である。冬眠も活動もできず、無駄にエネルギーを消耗して衰弱死してしまうからだ。だから、一日を通してずっと気温が低いままの北向きの斜面が、安心して冬眠できるのである。

長野にて。

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-|2013.12.22/02:19
まさにその通りの場所です! いつも腹を伸ばしてますが、あまりに寒いと垂れています。

無事に届いたそうで、安心しました。逆にこちらこそ、あの程度のものでご満足頂けるか心配な程でした。喜んで頂けて何よりです。「あの幼虫」は、実は現地では普通種でした。

来年も、いっそう頑張って参ります。
richoo|2013.12.22/08:16
あえて自然に棹さす様な体勢で臨むのですねェ、
やっぱりトンボはかっこ好い、
春の青さは再生の色ですね、
「越年」なんて命名も床しくて好いです、
(大きな樹をバックに真ん中辺り、少しぼやけてお尻を下げ、
 眉の様に見えているのが・・・?)
瓜豆|2013.12.22/08:47
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-|2013.12.22/11:33
瓜様、惜しい・・!
この種の越冬後の青さには、目を見張るものがありますね。トンボというのは、どうして成熟すると青になったり赤になったりする種がいるのか、幼い頃からの謎です。
richoo|2013.12.22/16:13
Re: タイトルなし
ちょうどこの角度からだと、やや斜めになっているのでちょっと見づらいですね。広大な森でこれを見破ったときの爽快感たるや・・(´・ω・`)
richoo|2013.12.22/16:16
猛禽なんかは(他の鳥でもありそうですが)複雑な地形で急峻なところが多いとこだと南~南東斜面に巣をかけることが多いみたいですね。
逆に緩い地形ならあまり関係なくなってくるとか。

ところでモノは左下の方(Kちゃん?)でしょうか?
まだ見つけたことがありませぬ。。。
ジーク|2013.12.24/19:09
鳥は暖かい所の方が好きなんですかね。ムシと正反対の傾向が見られるのであれば、面白そうですね。言われると、北向き斜面で鳥の巣を見たことがあまり無いような・・

まさに、そこに奴がいます。フィールドでは、一匹目を見つけ出すまでがつらい苦行です。
richoo|2013.12.24/22:58

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