
ハダカアリ
Cardiocondyla kagutsuchi。海沿いの温暖な地域に見られる小型のアリで、陶器のような独特の肌の質感がある。より西日本へ行くほど、内陸でも見られるようになると思う。

よんどころない都合があって定期的に足を運ぶこの港湾の防波堤は、そこかしこのひび割れにハダカアリが巣くっている。真冬であっても、日差しがあれば問題なく活動している。

小さく、素早く、まっすぐ歩かず、行列を組まないため、動いている個体の撮影は至難。場所を選ばないと、たとえ2時間粘ってもまともに1枚も写らない。

クソ寒いのに、幼虫を外へ引っ張り出して引っ越ししている個体がいた。寒いからこそ、より暖かい場所に幼虫を移そうというのだろうか。
防波堤には何もないので、本来なら釣り目的以外で立ち入る人間はいない。多くの釣り宇宙人の視線を背後に受けつつ、防波堤で一人土下座して額をつき、高速で駆け回る2mmの点を見つめる。
静岡にて。