650.jpg港湾の防波堤には、随所に漁網を干す場所がある。

646.jpg網の目にかかった大きなゴミは漁師の手で取り除かれるが、こびりついた細かいゴミはそのまま放置される。網の繊維には、海藻や甲殻類のワレカラがびっちりたかっており、それらはやがてこびりついたまま腐る。そのため、こういうゴミを目当てに、網乾し場の周辺には年中たくさんのハエが集まる。

647.jpg一番多いのがハマベバエFucomyia sp.。海浜性のハエで、打ち上げられて腐った海藻などから発生する。多くの個体が、網の目の間を走り回っている。近寄ると、砂嵐のように一斉に飛び立つ。
どういう理屈かトルエンなど有機溶媒に惹かれる習性があり、下手に海っぱたで船に塗装したりすると大変らしい。

648.jpg平べったい体型は、鳥に寄生するシラミバエ類を思わせる。

地球上で最も成功した生物たる昆虫も、海まで進出できたものはごくわずかしかいない。
わざわざ海くんだりまで来て釣りも泳ぎもせず、変人のそしりを受けつつ地べたに這い蹲ってアリだのカだのハエだの見て、何が楽しいのかと思われるかもしれない。でも、山暮らしの虫マニアにとっては、「海に昆虫がいる」という事実それ自体が、すでに面白くて仕方がないのである。

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漁労屑からウニや巻貝を探すのが好きです(´・ω・`)
micromyu|2014.01.24/12:54
この地域では、大きなものは全て除去してから干すので、ろくな物を拾えた試しがありません・・・
richoo|2014.01.24/18:02
港の干し網、臭い解ります、
毎年祖父母の住む伊勢の海で過ごしましたので、
ワレカラ「海人の刈る藻に住む虫の・・」
夢を誘う動きと形が面白いです、
ハマベバエの容貌、ベルゼブブそっくり!
「はえ男」なんてSFの悪夢の様です、
海にも住む昆虫、版図を広げていますね。
瓜豆|2014.01.25/00:13
小さくて取るに足らないものと言ってしまえばそれまでですが、少しでも興味を持ってみてみれば、あらゆる場所が広大な世界に感じられます。海の虫を見始めると、それがよく分かります。
richoo|2014.01.25/08:18

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