夏のアルバムから。
2655.jpgソウウンクロオビナミシャクHeterothera taigana。長野にて。

高山蛾の一種。高い山の山頂付近でのみ見られる。

P-T境界

2661.jpgコヒョウモンモドキMellicta britomartis。長野にて。

ふと10年ちょっと前の写真。とある草原地帯に、かつてこの蝶が多産しており、毎年梅雨時の晴れ間にこいつらと遊ぶのが年中行事となっていた。この蝶は糞や死体など汚い物に好んで集まり、その延長で人間の汗を吸うためにしばしば人体に積極的に止まろうとする。

この蝶には、同種の仲間が止まっている場所に釣られて反射的に降りるという妙な習性がある。これを利用して、アホみたいな遊びが出来る。とりあえず、まず蝶を一匹だけ汗で誘引して手の甲に止まらす。止まったら、そのまま草原を歩いて別の個体を探し、見つけ次第手の甲を飛んでいるその個体に見せびらかす。すると、その個体は必ず手に止まってくる。これを延々繰り返し、ついには手をコヒョウモンモドキまみれにすることができるのだ。
蝶はそこに止まっている個体が多ければ多いほど、釣られて止まりやすくなるため、後半になるほど楽に集められるようになる。最高で何匹止まらせられるか試したところ、上のように9匹までは余裕でいけたが、それ以降はどうしてもダメだった。翅を開閉したときに隣の個体同士で干渉してしまうため、これが限界のようだった。
野生の昆虫の手乗り写真は、昆虫に多大なストレスを与えるので御法度と言われるが、これに関しては向こうの方から進んでこっちに来た結果なので文句は受け付けない。

こんな楽しいコヒョウモンモドキも、今や信州の高原から一掃されつつある。シカの増えすぎで、食草のクガイソウが壊滅的被害を被っているから。上の写真を撮った産地も、2010年を境に突然一匹もいなくなり、以後復活しない。あれほど沢山いたのに。
中信地域における昆虫の生息状況において、2010年という年は破滅の区切り年になっている。この年あたりを境に、激減したか消えた種がおそろしく多い。また、この年代辺りから、当該地域においてシカの食害が露骨に顕在化し始めた。

2667.jpgアゲハモドキEpicopeia hainesii。宮崎にて。

毒を持つジャコウアゲハにそっくりなのだが、それより遥かに小さい。鳥などはモデルと体サイズが著しく違っていても、色彩さえ似ていれば騙されるのだろうか。
東南アジアには、後翅に白い模様のあるベニモンアゲハ風のジャコウが分布する。確かタイだったと思うが、前に東南アジアのジャングルで、全く同じように後翅に白紋のあるアゲハモドキを見つけたときは、ここまで似せるのかと心底びびった。もしかしたらアゲハモドキではなくマダラガかも知れない。

2626.jpgサカハチチョウAraschnia burejana。大阪にて。

2624.jpgキスジホソマダラBalataea gracilis。大阪にて。

比較的標高の高い、涼しめの所で見かける。