2707.jpgタケツノアブラムシPseudoregma bambucicola。宮崎にて。

タケに付く。基本的にかなり稀で、日本では西南部にしかいない。ネット上の画像検索で(しばしばゴイシシジミと共に)出てくるタケツノアブラムシと称する写真は、9割方ササに付くササコナフキツノアブラムシCeratovacuna japonicaの間違い。ササコナは葉裏に付くが、タケツノはあの固いタケの幹表面に群生して付くという噂を前々から聞いていた。まさか本当にそうだとは思わなかった。

現地でさて撮影しようと思ったら、あろうことかミクロ物撮影に絶対必須のMPE65を家に忘れるという致死的ミスを犯した事に気づく。何とか出来合いの設備で撮影したが、やはりあのレンズを使わないといまいち。また撮影し直しに行く。

夏のアルバムから。
2374.jpgヤドリギについていたアブラムシ。種は知らないが、変わった雰囲気。長野にて。

※ヤドリギアブラムシTuberaphis coreanaだそうです。KUWAKIRA様、ご教示誠にありがとうございます。

たまたま寄ったある場所に、ケヤキの大木の立つ神社があり、そこにヤドリギが生えていた。大抵、大木のはるか高所にあることの多いヤドリギだが、運良くお触り可能な所にあった。
かなり樹齢を重ねた老大木だったが、見た限り洞は出来ておらず、某虫はいなそうだった。

かつて僻地在住だった頃、居住区から遠くない場所に大きなケヤキが立っており、この木の洞から毎年ある期間だけ珍虫が発生した。しかし、そこはマニアの間では超有名ポイントらしく、発生期間中は長竿を掲げたマニアが余所から多数襲来する。そして、住宅街のド真ん中だというのに、近隣住民の目もはばからず複数人バリケードを作ってその一本の木を囲んでしまう。
しかもそのマニアというのは軒並みリタイヤした初老~老年世代なため、平日だろうが何だろうがいつ行っても常にそこに陣取っている。仲間内で場所を交代して占拠し、空く瞬間が一秒もない。下手に近寄ればトラブルになるのが分かり切っているので、俺は長い在住中一度もそこの木には発生期間中近寄ることができず、結局今まで一度もその珍虫の生きた姿を見たことがない。すぐ側に住んでいたのに。

夏のアルバムから。
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クロイワツクツクMeimuna kuroiwae。屋久島にて。

九州本土の大隅あたりからいるものの、基本的には南西諸島の生物。ツクツクボウシの仲間だが、本家のツクツクボウシほどリズミカルで軽快な鳴き方をしない。「ヴーーーーエ゛ッエ゛ヴーーーーエ゛ッエ゛ヴーーー・・」と、シャックリするように気だるく夏を唄う。こいつの合唱以上に、夏の沖縄の昼下がりを演出するBGMなどない。
小笠原にいる天然記念物オガサワラゼミは、苗木に混ざって人為的に沖縄から持ち込まれたクロイワツクツクだという説が昔あった。今日、あの議論は結局どう決着したのだろうか。

屋久島には本家ツクツクボウシも分布するが、ここの個体群は鳴き方がおかしい。本土の奴と違い、歌の末尾を「ウィーヨーシ、ウィーヨーシ」でしめず、ずっとツクツクボーシツクツクボーシを早口で言ってそのままジューーーで終わってしまう。ツクツクボウシは地域により鳴き方に方言があるらしく、台湾にいる、おそらく日本のツクツクボウシと同種だと思うが、それは歌の末尾になると突然声が裏返って首を絞められたようなものすごい鳴き方に変わる。台湾の森で最初にそれを聞いたとき、何が起きたのかと思わず同行の日本人と顔を見合わせてしまった。

2625.jpgテングアワフキPhilagra albinotata。大阪にて。

久々に見かけた。やや山手に入らないと見られない種で、長野にいた頃は掃いて捨てるほど見た。遠くなって分かる有り難みをひしひしと感じる。

2619.jpgキボシマルウンカIshiharanus iguchii。大阪にて。

大きさも見た目もテントウムシそっくり。不味いモデルに擬態しているものと思われるが、そんな姑息な威を借る真似せずとも危険が迫ると瞬間的に吹っ飛んでいなくなる脚力をもつ。