2974.jpgモモコフキアブラムシHyalopterus pruni。埼玉にて。

季節によりバラ科樹木と、河川敷のヨシの間を行き来する。野外ではヨシの葉裏に、初夏たくさん群がっているのを見かけることが多い。これを食いにジュウサンホシテントウがやってくる。

眺め

2944.jpgナガメEurydema rugosa。茨城にて。

これを含め、黒と赤の模様のカメムシは、なぜか手づかみしてもあからさまな悪臭を放たない種が多いように思うのだが、どうなんだろうか。

長めの菜亀は眺めがいい。

2751.jpgギンネムキジラミHeteropsylla cuban。喜界にて。

南西諸島では、かつて緑化だか家畜飼料用だかの目的で人為移入されたギンネムが雑草化してしまい、至る所で猛烈に繁茂して在来植生を圧迫している。除去は困難で、よほど保全生態学上の必要にかられない限り、概ねどこでも見て見ぬ振りして放置されているのが現状。
そのギンネムには、高率で同じく外来種のギンネムキジラミが大量にたかり、汁を吸いまくって加害している。場所により大発生し、ギンネム群落がほぼ壊滅することもある。一般にキジラミ類はアブラムシ同様、園芸作物の害虫として嫌がられるが、この種に関しては侵略的外来植物のみを痛めつけ、蹂躙して死にさらして下さっているため、むしろ益虫と言える。

2750.jpgギンネムキジラミの多い場所には大抵これを捕殺するカスミカメムシがいる。ナナホシテントウも多く、積極的にキジラミを食い殺して回る。ギンネム群落ではナナホシテントウのほうが、益虫を減らす憎き害虫である。

夏のアルバムから。
2763.jpgヒラタグンバイウンカOssoides lineatus。大分にて。

ススキの葉に付く奇妙な虫。平たい体でピタッと張り付くため、立体感がなく、そこに生き物が居るという感じを出さない。突き出た頭の中には、よくよく見ると泡が入っている。親戚筋たるビワハゴロモの仲間も、頭のツノの中には泡が入っているという話を聞いたことがある。理由は謎。

大昔、彩の国に住んでいた頃、家の近くに比較的規模の大きい空き地があり、一面がススキ原だった。東京都心に近接した立地で、近年あれほどの草原が残っていたのは珍しい。彩の国では今やかなり珍しいキリギリスが多産し、ススキをタモ網で掬えばヒラタグンバイウンカが何匹も入った。すぐ逃げたため一瞬しか姿を見なかったが、カヤネズミさえ入った。草原の中には存在理由すら分からない大きな側溝が掘られており、梅雨時になると水没して池となり、無数のギンヤンマのヤゴが採れた。
その草原は、数年で完全に地ならしされて壊滅し、後にはクソほどの面白みもない、どこにでもある凡庸な運動公園が出来た。敷地の大半が、草も生えない特殊舗装のグラウンドと、周回全部柵に囲われて水にも触れられない池となった。これにより、この場所から半径数kmに渡り、草原性の生き物を見られる場所が完全に消滅した。

我が家は転勤族だったため、俺は元々この土地には数年しか居住しないことが分かっていた。だから、この地域を終の棲家とする住民らが、あの虫ばかりでクソの役にも立たない草むらよりもランニングやら野球やらできる快適で楽しいレクリエーションの場所を望んだというのならば、それに対してどうこう言える立場にはない。
それでも、時々所用でこの場所の近くを通りかかるとき、あのグラウンドを視界に入れてしまうと、もう辛くて居たたまれない。ああなる前のここの状態が如何ほどのものだったかを、知ってしまっているから。

2756.jpgヒエツノアブラムシPseudoregma panicola。長崎にて。

2759.jpg主に秋口、林縁のチヂミザサの茎に白い粉を吹いて取りついている。夏は別の植物上で虫コブを形成するとかしないとか。ここでは少なかったが、しばしば群生し、チヂミザサを白くするので遠目にも目立つ。

2758.jpgこのアブラムシは、外敵との戦闘に特殊化した兵隊カーストを持つ。ササコナフキツノアブラムシなどに見られるものと同様、兵隊は脚がガッチリしており、頭には鋭いツノを生やす。だいたい、チヂミザサの穂の上部ほど生殖虫が多く、下ほど兵隊が多くなる傾向がある。

長野の裏山にはきわめて高密度でこれが生息しており、毎年秋にはそれなりにこの生物を観察していた。しかし、今までの所このアブラムシの兵隊が何かと戦っているところを、一度たりとも見たことがない。そもそも、このアブラムシのたかっているチヂミザサに、他の生物が乗り込んできている様を見た覚えがほとんどなく、かろうじて1回ほどヒラタアブのしょぼい奴が産卵しに来たのを確認したのみ。
ワラくずの先で兵隊をつついても、ササコナの兵隊ほど目に見えるアクションを見せない。これが本当にコロニーの防衛の役を担っているのか、もしそうならば何から守ろうとしているのか、全く不明。知りたくば、アブラムシに直接聞くしかない。