2263.jpgコマダラウスバカゲロウDendroleon jesoensisの幼虫。長野にて。

すり鉢状の巣を作らないアリジゴクで、苔むした日陰の石垣ではおなじみ。一年中、さまざまな成長段階の個体が同所的に混在しているのを見る。体表面には地衣類がびっちり着いているが、自然に着いたのか自分で着けたのかは不明。

2262.jpgよほどここが越冬には居心地良いのだろうか。今回、一箇所にものすごい数が集中して着いているのを見た。フレーム外にもまだ多数いる。

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オオツノトンボProtidricerus japonicus。長野にて。

夜間灯火に来た。人工光源に飛来したこの虫の動きほど、ぎこちなく見苦しいものはない。周囲に全く街灯のない闇夜の中では、見惚れるほどに素晴らしい機動性をもって飛翔する。

♪生まれ来ることが罪ならば 

1516.jpgミズカゲロウSisyra nikkoana。北海道にて。

幼虫は水生。水質のよい深い湖に成育する、淡水海綿から汁を吸って成長する奇習で知られる。その生態の特殊さゆえ、全国的に見れば決して普通種の虫とは呼べない。他方、関西地方の市街地では最近になって、水質汚染に強い外来の淡水海綿が定着し、勢力を伸ばしている。それに伴い、そうした地域ではミズカゲロウも増えつつあるという。いいのか悪いのか。

水の澄んだ大きな池のほとりで見つけた。生まれて初めて見たが、すぐさまとんだ邪魔が入ったせいで飛んでしまい、一枚しか撮れなかった。
ミズカゲロウ、クサカゲロウがいるのに、ツキカゲロウはどうしていないのだろうか。

プチせんぶりシュー

1526.jpgセンブリ一種Sialis sp.。北海道にて。

幼虫は水棲で、成虫は水辺の草場上に見られる。日本には複数種いて、成虫の種同定は外見では不可能と言われる。植物にもセンブリという名前のものがあるが、名の由来は全く違う。

今年、ヤマトセンブリを見に行けば良かった。

1169ケカゲロウIsoscelipteron okamotonis。福岡にて。先日とは全然違う山で見た。

ここには以前から林内に大きな立ち枯れの木があったのだが、シロアリの影響で最近上部がバッキリ折れた。根本から高さ2m位までだけが残っている。日没後、何の気なしにそこを通りかかったとき、見覚えのあるあの羽虫が立ち枯れからハラッと飛び立った。しかも何匹も。

1171多数のケカゲロウが、その立ち枯れに集まって産卵していたのだ。少なくとも数えたときには3匹はいたが、飛んで逃げた奴を勘定に入れればもっと多くの個体がそこにいたのは間違いない。長野でこの虫を探したときには、一シーズンかかってようやく3匹集めたほどなのに、たった一晩でそれを上回る数の個体を見てしまった。
ずっとライトで照らし続けると、やがて光を嫌がるように皆どこかへ飛び去ってしまう。でも、しばらく時間をおいてまた様子を見に行くと、最初に見たのと同じくらいの個体数がまた戻ってきていた。よほど産卵に適した場所なのだろう。

1170ここに出した3枚の写真は、全部別個体。

この立ち枯れからほんの10m離れた2カ所で、深夜までライトトラップを仕掛けていたのだが、不思議なことにそっちにはケカゲロウが1匹たりとも飛来していなかった。この虫は、明らかにライトトラップでは生息を確認しづらい虫である。恐らく、相当至近に光源がないと飛来しないか、特殊な波長の灯火でしか誘引できない。
この山には、とある正体不明の脈翅が1種生息する。古い時代にたった1匹採れて以後まったく記録が途絶えており、絶滅したのではないかとも言われている。数多の研究者がこの何十年もの間、再三にわたりこの山で灯火をたいても、飛来しないのである。でも、もし本種がケカゲロウのように灯火で誘引しがたい性質を持つのであれば、まだ生息している可能性は否定できない。

しかし、一晩にこれだけの数のケカゲロウを一カ所で目撃できるとは思わなかった。かつてはあれほど発見に苦労したのが、まるでウソのよう。精霊はひとたびデレさせてしまえば、向こうから会いに来てくれる。

なお、ケカゲロウ科は平々凡々な見た目の羽虫なのに、今のところ奇怪な姿で有名なあのカマキリモドキ科に一番近縁な脈翅ということになっている。にわかには信じがたいが、その一方で幼虫期に複雑な過変態を行う点では共通しているため、納得できなくもない。