ステンドグラス職人

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カタツムリトビケラHelicopsyche sp.。日本には複数種いるらしいが、分類が進んでいないようだ。水生昆虫の一種で、薄暗い森林内の道脇にある岩盤から水がしみ出ているような所にいる。かつては希少種とされたが、実際には各地に普通にいることが分かって格下げされた。理由はどうあれ、希少種が希少種でなくなるのは素晴らしきこと。

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トビケラ類は、幼虫期にはいずれも砂や石ころ、木片や落ち葉を糸でつづって種ごとに意匠を凝らした巣を作る。しかし、このカタツムリトビケラは名前の通りカタツムリそっくりの殻を作る点で、ことさら異彩を放っている。周りの砂粒をかき集めて、精巧な巻き貝型の巣を作り、中に収まる。

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まるで宝石をちりばめた装飾品のよう。しかし直径はわずか2ミリ。春先に、小さくて黒くて地味な蛾に似た成虫が羽化する。

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正面顔は意外とかわいい。もしこれが手のひらくらいの大きさなら、絶対にヤドカリと一緒に祭り屋台で売られていただろう。そして、それを買ったはいいがそのうち羽化する黒い蛾の処置に困って家の窓から放つ輩が急増し、住宅街で黒い不気味な蛾が大発生みたいなニュースがワイドショーをにぎわすのだ。極小サイズの虫でよかった。
長野にて。