2308.jpgゴトウノコギリヤスデPrionomatis verrucosum

五島列島の地下空隙に固有。全身純白。

1553.jpgウエノオビヤスデEpanerchodus sulcatus

1555.jpg本州の限られた石灰岩洞窟にだけいる、地下性ヤスデ。産地では多く、洞内の床に堆積したコウモリのクソの山におびただしい数がたかる。体の色素は残っているが薄く、洞の深部にいる個体ほどその傾向が顕著。

1554.jpg配偶。ヤスデは昆虫などと違ってチンコ(いわゆるペニス)がなく、代わりに上半身の腹面にある特有の生殖器官を使い、交接と呼ばれる配偶行動を行う。オスは腹面にあるゴノポッドという小さな脚みたいなものを、メスの腹面の生殖孔に挿入する。互いの上半身を密着させる必然性から、交接中の雌雄は向かい合って抱き合う体制となる。
ゴノポッドの形態は種特異的で、基本的にヤスデの種分類や同定はオス成体の形態によりなされている。逆に言えば、オス成体を採らないことには、ヤスデの正確な種同定はできないと思っていいだろう(Takashima and Haga 1956)。

小中学校の頃、当時のある教員が「向かい合って交尾する動物は、人間しかいない」と言っていたのを覚えている(小中学校で教える事なのか否かは別として)。しかし、残念だが少なくともヤスデとカニに関してはその限りではない。



Haruo Takashima, Akiharu Haga (1956) A Contribution towards the Japanese Cave-dwelling Species of the Class Diplopoda. 山階鳥類研究所研究報告, 1(8), 329-343.

1436.jpgクボタノコギリヤスデPrionomatis nanatugamense

九州の、ある一カ所の洞窟からのみ知られる。色素が抜けて純白の胴体を持ち、目はない。洞内に残されたわずかな有機物を餌に生きている。洞窟壁面の粘土を盛んに舐めていた。

1437.jpg胴体の各節の側面は、ノコギリ状のギザギザになっている。その名の所縁。

1438.jpgヤスデの素晴らしさについて語り合える人間が、周囲にいない。

1330.jpg洞窟性オビヤスデ。種類はよくわからない。

色素が抜けて、純白の美しい姿。暗闇の中ライトで照らされたその姿は、白い宝石サンゴを削ってこしらえた装飾品のよう。ただし色のついた個体もいて、同所的に2タイプがいる。富士山周辺の広域にわたり、火山性洞窟内に見られる。

この時入った洞窟は、ネット界隈では心霊スポットなどとして下らない好事家の間ではよく知られた場所の一つらしい。しかしこちらの目的は亡霊でなく精霊である。

静岡にて。

1274.jpgヤンバルトサカヤスデChamberlinius hualinensis。屋久島にて。

もともとこの島にいなかった、台湾からの外来種。沖縄のヤンバルで最初に定着が認められ、その後すぐ周辺の複数の島嶼へ飛び火した。繁殖力がきわめて強く、天敵もいないため、すさまじい勢いで増殖して問題になっている。
人に噛みついたり、農作物を荒らすわけではないが、とにかく数が多いので快く思う者はいない。夜間地表を大群で練り歩き、民家にもうじゃうじゃ平気で上がり込んでくるので非常に嫌がられている。そして、臭い。危険を感じると毒ガスを発し、これを吸い込みすぎると健康を害する。だから、熱湯をかけるなどの苦痛を与える殺傷方法を使わず、即効性の薬剤での駆除が推奨されているらしい。

1276.jpg目らしきものが見あたらない。実は顔つきは可愛らしかった、を狙っていたのだが、そんなに可愛いげはなかった。

1278.jpg
夜間、民家の壁におびただしい数が這い上がってくる。しかし、こんなのはまだまだ全然大量のうちに入らない。全然本気を出しておらず、余裕でまだあと3回の変身を残すレベル。