2828.jpgMyrmophilellus pilipes。マレーにて。

東南アジアに住むアリヅカコオロギの仲間で、日本産全種が含まれるアリヅカコオロギ属Myrmecophilusとは別属(と現状扱われている)。後脚フ節が黄色く、さらに鳥の羽毛状の細毛でびっしり覆われるという、他のアリコロにはない特徴を持つので見たら一発でそれと識別できる。
最初スリランカで記載され、その後もインドやブータンなど比較的限られた国で散発的に記録されていただけだったが、実際には東南アジアの相当な広域に分布することが判明した。
この種は寄主特異性をほとんど欠き、現在確認されている限りで4亜科にまたがる不特定多数種のアリの巣にとりあえず寄生できる。その代わり、どの種のアリとも親密にはなれない。ぶっちゃけアリ無しでも生きられるが、それでもアリの巣の周辺の方が餌となる有機物が多く得られるため、好蟻性に甘んじているらしい。

日本にいないので和名がない。分布域が極めて広域なのと、どんな種のアリとも関係できる点から、俺は勝手にアマネ(遍)アリヅカと呼んでいる。


Komatsu, T., & Maruyama, M. (2016). Additional records of the distribution and host ant species for the ant cricket Myrmophilellus pilipes. Insectes Sociaux, 63(4), 623-627.

2833.jpgジャングルでの非常食。向こうでは朝と晩の二食が基本なので、昼はあらかじめ買いだめたこういうものでしのぐ。

「クリームクラッカー」と銘打つから当然クリームが挟んであるのだと思ったら、何も挟まず味もない素クラッカーが入っているだけ。「クリームはてめーで用意して、挟みたきゃ勝手に挟んで食えこのデコスケ野郎クラッカー」の略。

2835.jpgヨロイアリMeranoplus mucronatus。マレーにて。

X字のトゲを生やした厳つい姿だが、性質はとても大人しい。蜜食の気が強く、大抵はアブラムシやカイガラムシなどの甘露を求めてそうした場所に入り浸る。

2832.jpg通常は樹上のかなり高い所で採餌するようだが、比較的低い所に集まる事もある。

あわびゅ

2830.jpgアワフキアリBothroponera sp.。マレーにて。

毒バリを持つ大形ハリアリの一種で、東南アジアのジャングルでは場所により珍しくない。夜行性で、日没後に地面・樹幹問わず徘徊する。

2829.jpgこいつの最大の特徴は、敵に捕らわれたときの防御手段。毒バリから特殊な液体を放つ。粘性に富むこの液体は、空気中に触れると膨らんで大きな泡の塊となる。毒バリから出る以上は毒には違いないが、仮にそうでなくても敵をビビらせるには十分に過ぎるほどの隠し芸。

1456.jpgツチミゾガシラシロアリSchedorhinotermes sp.。マレーにて。過去の遺産から。

1457.jpgコロニー内に、サイズと姿の異なる2タイプの兵隊をもつ。本属は旧世界の熱帯地域には広く分布し、南米にはこれに外見上瓜二つのミゾガシラシロアリRhinotermesが分布する。大型の兵隊は鋭いキバを持ち、噛まれると例外なく肌が切れて出血する。傷口はあとで腫れることが多く、攻撃時に何らかの毒を浴びせているように思える。
しかし、こちらも硬い朽木を手鍬で破壊して内部を調査する過程で、何十、何百匹もの彼らの同胞を潰して死なせることになる。反撃を受けて多少出血する程度の報いは、受けても仕方ない。