人の一生は重き荷を背負い 稲の葉を登り行くようなもの

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イネクビボソハムシOulema oryzaeの幼虫。長野にて。

初夏の水田で見かける。幼虫は、背中にみずみずしい糞を背負う習性があることから、イネドロオイムシと呼ばれる。稲の大害虫で、葉の表面を細く削るようにして食い荒らす。主に涼しい地域で被害が大きく、嫌がられる。

2879.jpgスジクワガタDorcus striatipennis。長野にて。

これのメスは、翅のスジ具合が実に美しい。身近にいた頃には大して気にも留めなかったが、よい虫。写真の個体のように翅のスジの窪みに泥がこびりつくと、模様がより際だつ。汚れているのに美しくなる。汚れるほど美しくなる。

黴器売りの少女

2878.jpgムナビロサビキコリAgrypnus cordicollis。長野にて。

サビキコリは全国規模でド普通種なので、虫マニアすら跨いで通る。しかし、いきなりこれを外からN匹採ってこいと言われて、すぐ採ってこられる虫マニアがどれだけ存在するか。

かつて辺境の大学にいた頃、学部生向けの野外実習のTAを毎年任されていた。現在やってるのか知らないが、少なくとも当時は初夏に一回開講されていた授業で、大学周辺の裏山にいる数多の生物を材料に自分らで研究テーマを設定させ、3週間程の実習期間中に何らかの成果を出させて発表させるという内容。そこで、毎年実習の初回日に若人らに向けて裏山の生物に関するオリエンテーションをするのが、俺の年中行事となっていたのだ。
ある年、「裏山に生息する虫の一つにサビキコリというものがいる」という内容の話を、板書をまじえつつ学生らに話した。その授業の終了時、学生に自分がテーマとする予定の生物や研究内容を紙に書かせて提出させるのだが、ある学生が書いてよこした計画書の中に「カビキウリを使って云々の研究を・・」という一節を認めた。その学生の書いた計画書の文中に、複数回カビキウリという生物の名が出てきた。
授業中、俺は一度たりともカビキウリなる言葉を発した覚えがない。一体こいつは何のことを言ってるんだと思いかけて、はっと気づいた。授業中、学生らの前でサビキコリという言葉を黒板に殴り書きした。どうやら、その時の俺の字があまりにも汚さすぎて、かの学生の目にはカビキウリに見えたらしいのだ。学生、すまんかった。

2877.jpgオオコクヌストTrogossita japonica。長野にて。

カミキリを初めとする穿孔虫の天敵。松林でときどき見かける。無印のコクヌストはどこに行ったら見られるのか。

2880.jpgラミーカミキリParaglenea fortunei。長野にて。

もともと長野にはいなかった。というより、そもそも日本にいなかったらしい。誰かがこれの模様を、タキシードを着たガチャピンと表現したが、言い得て妙。